彼女は僕の静かな遊びに飽きることなく付き合ってくれた。
時にはそれぞれに読みたい本を読み、音楽を聴き、星空を眺め、沢山の話しをした。
彼女が話すよりもきっと僕の方が沢山喋っていたと思う。
僕の知識を彼女が聞きたがったから。
「流星すごーい!」
なんて素直に感心されると、つい得意になって、嬉しくなって…
大樹君に悪いと思いながらも、彼女を離せなかった。
昼は青空の下で、
夜は満天の星空の下で、
僕達は静かに心を通わせて行った。
◇◇
楽しい時はあっという間に過ぎ去り、フラノの夏は終わりを迎えようとしていた。
ラベンダー畑も後数日で穂先を刈り込み、ポプリや香料を作る為に出荷するそうだ。
紫色の大地も、もうすぐ見納め。
そして彼女との別れの日も近付いていた……
東京に戻る2日前の夜、星空を見るために、いつもの場所で待ち合わせていた。
風のない穏やかに晴れた夜、
紺碧の空には無数の星が瞬いて、吸い込まれそうな程の美しさを放っていた。
白樺の白い木肌に背中をもたれて座りながら、星空を見ていた。
暫くすると彼女が走ってやってきた。
「流ー星ー!
ちょっと遅れちゃった。ごめんね待った?」


