ほんの数秒しか見なかったけど、
女の子達が何かを期待して、流星を見ているのが分かった。
一人は流星のブレザーの袖に手を添えていて…
一人は柔らかい茶色の髪の毛に触れていた。
心の中に焦りと不安と不快感と……
嫉妬の様な感情が湧き起こる。
私って、本当嫌な奴。
流星に真面目に付き合える彼女が出来るなら、喜ばしい事なのに……
素直に喜んであげれなかった。
心のどこかで、流星には私をずっと好きでいて欲しいと願っているのかも知れない。
欲張り、我が儘、自分勝手、最低……
頭の中に自分を卑下する言葉を並べてみた。
しかし、自分を戒めようとしても、嫉妬心を消すことは出来なかった。
下を向いて唇を噛み締めていると、ドアが開く音がして、不意に温かい手の平が頭に乗せられた。
「何してんの? 俺に用があった?
瑞希までいるし、今日何かあんの?」
「流星……」
「ゆかり…ちゃん… 何でそんな顔して…
どうした? 何があった? …黙ってたら分かんないよ!
瑞希説明して? ゆかりちゃんどうしたの?」
「どうもしないよ。当たり前の反応してるだけじゃないの?
僕達これから買物デートだから」
「は?」
「ほら、紫ちゃん行くよ?
大ちゃんに用はないから。じゃあねーバイバーイ」
鳩が豆鉄砲食らった様な顔の流星を残し、
瑞希君に手を引かれ学校を後にした。
疑問だけを残して立ち去るなんて申し訳ないけど、説明はできない。
流星の彼女になれる可能性がある女の子達に、醜く嫉妬していたなんて……
そんなこと言える筈ない。


