だけど…この盛り上がりを止める事は、私には不可能だった。
いくら中止を呼び掛けても、誰にも声は届かない。
私に出来ることは、怪我人が出ないことを祈りつつ、
ハラハラしながら、
成り行きを見つめる事くらい…
そして、この大勢の中の誰か1人が当たりチケットを持ってきた時、
私は3時間その人の言うことを聞かなければならないのか……
確かに私達のパフォーマンスは盛り上がり、
柏寮を強く印象付けたと思う。
来年度の新入寮生は期待出来るかも知れない。
だけど、
私を勝手に商品にするのは酷いよ……
瑞希君も、たく丸さんも、亀さんも…
こんな事する人達とは思わなかったのに……
寮の皆が急に遠く感じ、
ガックリとうなだれた。
下を向き唇を噛み締めていると、
誰かがステージに飛び乗ってきた。
私と瑞希君の間で足を止めた、その人の制服のズボンと上靴だけが目に入る。
どうやら当たりチケットは、
うちの高校の男子生徒が見付けたらしい。
とうとう
来ちゃったのか…
外部生じゃないだけ
まだ安心できるかな…
そう思いながら顔を上げると、
目の前には何故か流星が立っていた。
「瑞希、あんまりゆかりちゃんを虐めないでよ…」
「虐め?人聞き悪いなー。
虐めじゃなく協力でしょ?」
「はぁ… 全く……
はい、当たりチケット」


