幕が開くと、体育館の2階のギャラリーから、
目が眩む程の強烈なスポットライトを当てられ、
気になる客席の様子が、すぐには見えなかった。
だけど物凄い歓声が上がったから、
悪い予想は外れたと瞬時に理解した。
眩しい光りに目が慣れると、体育館は溢れそうな人だかり。
アイドルライブさながらの熱気を放っていた。
意識を歌と踊りに向けながら、
予想外の盛り上がりに驚いていた。
歌の合間に
「セイッ! セイッ!」とか「オ〜〜」とか
妙な合いの手が入るし、
ステージと椅子席の間のスペースに、20人程の男の子達が立ち並んでいて、
前もって練習してきたような、
息の合った、激しく怪しいオタクダンスを繰り広げている。
間違えない様に歌詞と振りに集中したいけど、
どうしても彼らが気になり、目線を向けてしまう。
彼らが着ているのは、
お揃いの薄紫色のTシャツ。
そのTシャツには、
誰かの顔写真がプリントされているみたい。
それが誰だか見えなかったけど、
ステージのギリギリまで前に出て行く時に、やっとその顔が見えた。
それは……私だった。
いつ撮った写真なのか…
全く記憶にない。
制服姿でカメラ目線じゃないから、
もしかして校内隠し撮り…?
それにはびっくりだけど、
もっと驚いたのは…
彼らの先頭に立ち、
誰よりもキレのいい、オタクダンスで集団をリードするのは…
たく丸さんだった。
「僕は音響係」って言ってたのに、
何で踊ってるの!?


