体育館のステージ横にある用具室が、出演者控室となっていた。
出番を次に控えた私達は、メイド服に着替えを済ませ、椅子に座って待機している。
たく丸さんは
「自分を信じて頑張って!
君達をプロデュース出来た事を誇りに思うよ!」
と熱い激励をくれた後、
音響操作の場所に行ってしまった。
今ステージ上では、
チアリーディング部の女子達が、元気でキュートなパフォーマンスを繰り広げている。
控え室からステージへ続く階段を数段だけ上り、
彼女達の様子をチラリ覗いて見た。
それからすぐに瑞希君の隣に戻ってきて、
ストンと椅子に腰を下ろし、小さな溜息をついた。
チアの後って何か嫌…
瑞希君は何故か自信満々だけど、
華やかさ、インパクト、完成度、どれをとってもチアには勝てない。
映研の作品上映とか、柔道部の模範演技とか、
全く別ジャンルの演目の後なら良かったのに…
「紫ちゃん、もしかして緊張してるの?
大丈夫だよ。
短期間で凄く上達したと思うよ?
その紫色のメイド服も超似合ってるし、
男子全員、悩殺間違いナシ!
あっ カチューシャがズレてるから、直してあげるね」
瑞希君は私のメイドカチューシャを、丁寧に付け直してくれた。
私の髪をいじる瑞希君の可愛らしい顔を、
浮かない表情でジッと見つめていた。
緊張してるのかと聞かれたが、そうではない。
緊張じゃなく、憂鬱な気分なんだよ。


