「何言ってんのさ。
紫ちゃん、僕に口答えなんて出来る立場なのかな?」
「え?」
「君が傷付けた大ちゃんの体調が崩れない様に、
色々と世話を焼いてあげたのは誰だったかな?
凹んでた君の話しを聞いてあげたのは誰だったかな?
君の作った料理を大ちゃんが食べ終えるまで、側で監視してあげたのは誰だったかな?
ハロウィンの夜に一人で寝れなくなった君を部屋に入れ、
手も出さずに添い寝してあげたのは誰だったかな?
それから……」
「あ〜!このメイド服良く見たら凄く可愛い〜!
私も着てみようかなー…
アハハ……はぁ……」
というわけで、
一週間後の文化祭に向け、歌とダンスレッスンの日々が始まった。
某有名アイドルの曲を、
3曲振り付きで覚えるのは想像以上に大変だった。
たく丸さんに初めて会った時に
「アイドルになりませんか?」
なんて言われたけど、
私はアイドルにはなれないと、あの時以上に思う。
歌詞も振りも何とか覚えたけど、下手くそ過ぎて申し訳ない。
必死に踊っていると
笑顔を作る事も忘れ……
「あーもうっ!笑顔だって!
そんな形相で『キュンキュンしちゃうの〜』って歌っても、全然萌えないから!
アイドルは笑顔が命!!
歌っても踊っても、突っ立っても、常に笑顔を絶やさない!」
「うっ…ごめん……」
「瑞希、そんなに怒らなくても。
彼女だって一生懸命やってるから…」


