大樹を見つめる。
言葉を選び、ゆっくりと話し出す。
「大樹の事は好き…
でも私はやっぱり流星が…」
そこまで言った時、
大樹が慌てて言葉を遮る。
「待て!
お前…分かってねぇな…
俺を振るって事の意味をちゃんと理解してから返事しろ。
俺は、紫が幸せならそれでいいなんて思える程、大人じゃねぇ。
流星を選ぶなら、俺とお前の、親友ごっこも家族ごっこもお終いだ。
今後一切、お前とは縁を切る。顔も合わせねぇし電話も出ねぇ」
「そんなの無理だよ。隣に住んでるのに…」
「距離なんか関係ねぇ。
そうするって決めたらそれを貫く。徹底的にお前を避けて生きていく。
俺の性格、嫌って程知ってんだろ?」
「………」
知ってるよ…
大樹のことは何でも知ってる。
言った通り、一度決めた事は最後まで貫き通す性格だ。
勉強はしないしいい加減な奴だけど、
家業を継ぐと決めてるから、畑の仕事は真面目で一生懸命だ。
弓道だって、7年間も真剣に続けている。
大樹は私とは別の考えで、やるべき事とそうでない事を分けている。
だから…
私が流星を選ぶと言った時点で、私達の関係は本当に終わるんだろう…
大樹が私から離れていく…
二度と顔を見る事も、会話する事も出来ない。
隣に住んでいるのに、
地球の裏側よりも遠い存在になる。
嫌だ…そんなの堪えられないよ。
大樹がいないと私は…
怖かった。
大樹を失うこれからを想像しただけで、体が震える。
大樹を失いたくない。
それなら…
流星を諦める…?
5年間の恋心を無しに出来る…?
一ヶ月期待して待たせている流星に…
「ごめん」て言える…?


