「大樹、お願いもう離して!
こんなの…や…… あっ ヤメッ …んんっ」
言葉を遮り、唇を塞がれた。
激しく攻め立てるキスに、すぐに息が苦しくなる。
切れた唇から染み出した、大樹の血の味がした。
押し込めてきた想いを一気に吐き出している様な…
逆に心を奪い尽くそうとしている様な…
そんな激しい二面性を持つ大樹のキスは、
ただただ苦しくて…
私には受け止め切れない。
溢れ出した涙が、目尻からこめかみへ流れ、
私の髪を濡らしていく。
もう、おしまいだ…
心から大切にしてきた、
大樹との居心地のいい関係が終わってしまう。
大樹はその関係を壊してまで、私に想いを伝えたいの…?
言わなかったら、
ずっと傍に居られたのに…
荒々しいキスで、
多分私の唇も切れている。
大樹と自分の2人分の血液を味わいながら、
呼吸の仕方が分からなくなり…
次第に頭がぼんやりとしてきた。
思考力が奪われ体の力が抜けて行く。
至近距離に見える大樹の苦しげな瞳。
涙のせいなのか、
それとも酸素欠乏の為なのか…
その瞳もぼやけてきた時、やっと大樹が唇を離してくれた。


