そんな瞳を見せる理由が……
いくら愚鈍な私でも分からない程鈍くは無かった。
大樹は明らかに嫉妬している。
いや、嫉妬なんて簡単な一言で片付けられない程。
今まで押し込めてきた感情が今にも大爆発を起こしそうな…それを必死で堪えてる様な…
そんな苦しげな感情が溢れ出し、顔を歪めていた。
その表情から気付かされた事実は、
ハンマーで頭をぶん殴られたかのような衝撃を私に与えた。
大樹は………
私のことが好きだったんだ……
驚きと焦りと困惑が一気に押し寄せ、
心臓が壊れそうなくらいバクバクと速度を上げていく。
大樹は…私を好き……
いつから…?
燃える様な瞳を見上げながら、走馬灯(ソウマトウ)の様に昔の思い出が頭の中を流れていった。
「大きくなったら紫と結婚する!」
と無邪気な笑顔を見せていた保育園時代……
私の隣の席になれなくて怒って帰ってしまった、小学一年生の初めての席替え……
小三の運動会の男女混合リレーでは、
派手に転び思い切り膝を擦りむいた私に駆け寄り、保健室まで背負ってくれた。
自分のリレーの番をすっぽかしてまで……


