大樹の裸で赤くはならないけど、流星の裸を思い出していたなんて、恥ずかしくて言えない。
赤面をごまかす為に
「片付けたのに散らかさないでよ…」と文句を言いながら、
大樹が脱ぎ捨てたタオルや服を拾い始めた。
しゃがまずに上半身だけ折り曲げて、一つ二つと服を拾い集める。
すると衿元からシルバーチェーンのネックレスが滑り出て、紫水晶の指輪が宙で揺れていた。
「紫… 何だよそれ……」
大樹の声が急に1トーン低くなる。
その響きには何故か深刻さが混ざっていた。
服を拾い上げている姿勢のまま、顔だけ上げて大樹を見た。
まだパンツ一枚の笑える姿で私の衿元をジッと見ている大樹の表情は………
笑えなかった。
まるで幽霊にでも会ってしまったかの様な…
信じられない物を見たと言いたげな表情に、
こっちの方が驚いてしまう。
紫水晶の指輪は大樹に何度も見せてきた。
今更「何だよそれ」って言われても……
質問の意味も、そんな顔をする理由も分からなかった。
「何って…何が?
紫水晶の指輪がどうかした?」
「指輪じゃねぇ…
その胸の痣は何かって聞いてんだよ……」
「痣…? あっ!!」
やっと大樹が驚いている意味を理解した。
前屈みの姿勢を慌てて直し、胸元を押さえた。
大き過ぎる大樹のTシャツを着て前屈みになれば、当然衿元から胸が丸見えだ。


