何かを隠している様な笑みを見て、私の中に不安が生まれた。
やっぱりまだ変だよ…
すっかり普段の大樹に戻ったと思ったけど…違う。
大樹は可笑しい時には腹の底から大笑いするし、
笑いたくない時にはニコリともしない。
うちの店を手伝う様になって、
慣れない接客業スマイルはキツイって言ったくらい、作り笑いが苦手な奴なのに……
そんな風に偽物の笑顔を向ける大樹は見たことがない……
不安が一滴ピチャンと落ちて、見る見る内に波紋が拡がる。
穏やかだった心の水面がユラユラと波打つのを感じた。
何だろう…
この形の無い不安は…
不安は感じるのに、
何がそう思わせるのかが分からない…
大樹の作り笑いに、怯えにも似た感情が湧いてきた。
何かが変わろうとしている…
何かが壊れようとしている……
何かの正体は掴めないけど、急に強い不安に襲われ、思わず自分の体を両手で抱きしめていた。


