ラベンダーと星空の約束

 


 ◇




突然元気を取り戻した大樹だけど、
母の「休め」の一言で結局今日は家に帰した。



悪天候で客が疎らな店内。
暇だなと思いながら、働いていた。




午後になり天候は回復する。

空一面を覆っていた灰色雲の切れ間から、明るい陽光が差し込んでいた。



天気が回復したが昼も過ぎたし、やっぱり今日は客足は伸びないだろう。



そう思うのは母も同じで、私と青空に「帰ってのんびりしなさい」と言ってくれた。



のんびりしろと言われても、何もせずにゴロゴロ出来る性分じゃない。



夏休みの宿題はとっくにやり終えたし…

夕飯の支度にもまだ時間が早過ぎるし……




「青空、何する?」



「何も思い付かないけど…姉ちゃんは?」



「私も同じ。急に時間が出来ると何していいか分かんないもんだね。

大樹呼び出す?大樹の畑も雨でぬかるんで、今日は仕事にならないだろうし」



「いいよ………
あっ!良くない!全然良くない!」



「何でよ?
大樹も暇してると思うよ?」



「大樹は良くても俺が良くない!

えーと……宿題!
そう、夏休みの宿題やろうと思ってたんだよー。

家でうるさくされたら困るから、姉ちゃんが大樹の家行ってきて?」



「あんたが…宿題!?」





珍しいことを言い出す青空に驚いていた。

大樹を大好きな青空が、大樹より夏休みの宿題を取るの?



毎年宿題は、夏休み終了前日になって慌ててやりだす。

結局終わらずに「手伝って」と泣きついてくるのに、一体どう言う風の吹き回し?



驚いたけど、やるべき事を優先出来る様になった弟の変化を嬉しく思い、大樹の家には一人で行く事にした。




 ◇


大樹の家に向かって歩いていた。

雨上がりの濡れた土の匂いが立ち込める。