「笑窪と目の色…そんな所まで覚えてねーよ」
「え〜? そこが流星の特徴だったのに。
あの頃の流星は色白で笑窪が可愛くて、色素の薄い瞳と髪の毛が綺麗で……
ガラス細工みたいな繊細な美しさを放っていたよね」
「ガラス細工…せんさいな美しさ……鳥肌立つような言い方すんな」
「何よ。大樹はバカだから分かんないんだよ。
美しい物を美しく例えて何が悪いのよ」
「バカはお前だ。こんな軽そうな奴のどこがいいんだよ……今の流星は紫には似合わねーよ」
「だから本質は昔と変わらないんだって……
大樹? 今…私にバカって言い返してきたよね?
ハァー…良かったー…」
「意味分かんねー。
バカって言われて何喜んでんだよ。マジでバカになったか?」
これだよ!
これがいつもの大樹だよ!
バカにバカ呼ばわりされるのは心外だけど、
いつもの調子で言い返してくる大樹にホッとしていた。
ここ一週間程、大人し過ぎてらしくない大樹に困惑していた。
体調が悪いのかもって心配したけど、取り越し苦労だったみたい。
でも…体調のせいでないなら、何であんなに変だったのかな?
うーん…言い方を変えると、さっきまでは明らかに変だったのに、
何で突然普通の大樹に戻ったのか…とも言える。
流星の写真を見たから…普通の大樹に戻ったとか?
タイミングとしてはそんな感じだけど、
流星の写真を見て元気を取り戻すなんて意味分かんないし………
まぁいっか。
大樹が大樹に戻ったんだから、これ以上心配する必要はないよね。


