ラベンダーと星空の約束

 



 ◇◇◇


帰省してから一週間が過ぎようとしていた。

大樹は宣言通り、午前中だけうちの店を手伝ってくれている。



今日は朝から雨。
大粒の雨がザーザーと大地を叩き、しばらく止みそうになかった。



連日賑わいを見せていたうちの店も、こんな日は客足が鈍る。



今日だけは慌ただしい観光シーズンの、束の間の休息日になりそう。



開店前の朝8:30。
店の電話から大樹に連絡して、今日は来なくていいと告げた。



こんな天気じゃ店内は閑散として暇だろう。

それに大樹は疲れているみたいだから、体を休めた方がいいと思って……



それなのに9時きっかりのいつもの時間に大樹は姿を現した。




「大樹!? 今日は休みなって言ったでしょ?

しかも何その格好、ずぶ濡れじゃない!傘はどうしたのよ?」



「カサ…… あぁ、持ってくんの忘れてた」



「は…? 雨降りに傘忘れるなんてバカ過ぎるでしょ?」



「そうだな……俺…バカだよな……」





大樹………変!
変だよ。変過ぎるよ!



大樹が無給で手伝ってくれてるここ一週間、
心配になるくらい様子がおかしかった。



いつもはバカなくせに偉そうで、その自信はどこから来るのかって不思議なくらい強気な大樹が、

最近はどこかぼんやりしてると言うか…大人しいと言うか…元気がない。



うち店の仕事も自分の畑の仕事もちゃんとこなしているから、心配しつつも大丈夫だと思っていたけど……

雨の日に傘忘れるって、どんだけ腑抜けてるのよ。



しかも私が「バカ」と言ってもいつもの様に言い返さないし、

それ所か今日は自分がバカなことを認めてしまった。