ラベンダーと星空の約束

 


少し前まではうちの畑も、緑の中にジャガイモの花が散りばめられ綺麗だった。



今年の紫はそれを見られない。



早く帰って来いよ。

ジャガイモの花は終わったけど、お前んとこのラベンダーは見ごろなんだ。



お前の名前の色に染まる大地に、お前がいないのはおかしいだろ?



早く帰って来い…紫色の大地の中に……

って!俺、何恥ずかしい事思ってんだよ!



うわっキモッ俺キモッ。
自分で思って鳥肌が立った。



なんで俺がこんなキモイ事…
あれだ…あのせいに違いねぇ。



紫の電話で聞いた、流星のキザな台詞。
あれが頭に残ってるから、俺まで柄にもないこと考えちまったんだ。



『君の瞳の色が…紫色に見えてしまう……』

これを紫から聞いた時の感想は「オエッ」だった。



瞳が紫色?何だよそれ。
訳分かんねーしキモッ、恥ずっ。

鳥肌もんの台詞を、流星はどんな顔して言ったんだよ。



頭の中には5年前のガキの頃のあいつしかねぇけど、

やたらと整った綺麗な面だったから、

成長した今もきっと、いけ好かねぇアイドル面してやがるんだろう。



その面で紫を見つめながら、真顔でクサイ台詞を吐く。



俺なら言われた瞬間に吐いてる所だけど、
紫は…あいつはそう言うのに結構弱いんだよ。



5年前の夏だって、
キザったらしい台詞を吐くアイツに、紫は夢中になった。