全く…誰の為に無理して手伝ってやってると思ってんだ。
あいつは俺の事何だと思ってんだ…
何だと思ってるか…
そんなの分かってるけどな。
どうせ隣に住んでるアホな弟分だろ?
俺の方が4ヶ月遅く生まれてるからって、紫はすぐに姉貴面したがる。
『宿題やった?歯磨きした?
ゲームで夜更かししないで早く寝なさい!』
うるせぇって。
これじゃ姉貴を通り越してまるで母親だな。
はぁー…せめて紫より一日でも先に生まれたかった。
この関係いつまで続ければいいんだよ…
いい加減ムカついてきた…
◇
慣れない接客業スマイルは頬が引きつる。
微かに痛みを感じる頬を指で解し、土産物店を出てそのまま俺ん家の畑に向かう。
15時を過ぎたばかりの外気はまだ暑く、アスファルトからは熱気がゆらゆらと上がってくる。
歩きながら足元に向けて大きな溜息を吐き出した。
今日もくそ暑いな…
顔を上げて天を仰ぐと、
透明感ある濃い水色の空。
小さな綿雲の固まりが所々にふわふわと浮いている。
遠くの方に見える濃い緑色の防風林。
広い畑に植えられたジャガイモ、人参、キャベツ、とうもろこし…
色んな緑の絨毯がどこまでも広がっている。
紫が『綺麗だから好き』と言ってた、星型のジャガイモの花。
男爵芋の薄紫色の花も、メークインの白い花も、
花の時季はもう終わってしまった。


