星々の間を線で繋ぎ、夜空にその姿を浮かび上がらせていると、
5年前の流星の声が頭の中に響いてきた。
『星座の起源は、紀元前3千年とも5千年とも言われてるんだ。
何世紀も前に生きた人々が考えた話しを、今の僕らが耳にしている。
ねぇ紫、不思議な気持ちがしない?
神話が語り継がれてきた、長い長い時間を考えてみてよ。
それを想像する時、
気が遠くなる様な…何だか不思議な気持ちになるんだ……』
私もそう感じるよ……
きっと昔の人達も
こうやって夜空を見上げながら、
親から子へ、
友人から友人へ、
恋人から恋人へ……
何世紀にも渡って星座の物語は語り継がれ、
そしてあの夏、流星から私へと伝えられた。
気が遠くなる程の長い時の流れの中、
流星が教えてくれた物語は、一体どれくらいの人達が耳にしてきたのだろう……
あの夏に聞いた話しをもう一度聞きたい。
中国神話の話しも興味深かったけど、
5年前の幼い流星から聞いた西洋の神話を、今の流星の口からもう一度聞きたい。
3分経ってやっと落ち着きを取り戻した流星が、私の隣に来て腰を下ろした。
「ごめん、やっと治まったー。
どうする? もう遅いし帰る?」
「帰る前にもう一つだけ星座の話しを聞かせて?」
「いいよ。何座がいい?」
「さそり座」
さそり座を選んだ理由は、流星の生まれ月がさそり座だから。
あの夏に聞いた中で一番印象に残っている。
それをもう一度聞きたかった。
「さそり座はあの星とその星と…を繋いだ星座。
どう?サソリの形に見えた?
その中に赤く明るい星が見えるだろ?
あれがサソリの心臓“アンタレス”
さそり座には天敵がいるんだけど、どの星座か分かる?」


