キスの仕方なんて分からないから、流星がしてくれた方法を一生懸命真似してみる。
少しの間私のしたいようにさせてくれたが、
すぐに主導権を取り返された。
唇を合わせていたのは、
どれくらいの時間か…
長く甘いキスの途中、
流星がピタリ動きを止め、私を突き放す様に退けた。
「流星…?」
「ヤバ…これ以上は危険だから。今マジで押し倒しそうになった。
はぁー… 息子を落ち着かせるから、1分間話し掛けないで後ろ向いててくれる?」
「えっ?
まさか…ここで一人で……」
「違う、そんな変態じゃない。
数学とか漢文とかどうでもいいこと考えて、頭の中をエロから引き離すだけだよ」
「変なこと考えてごめん…」
流星が頭の中に、パスカルや孔子を登場させている間、
少し離れた場所に座り、南の星空を眺めていた。
川の匂いを含んだ湿った夜風が川縁の草を揺らす。
サワサワと葉の擦れ合う音が聞こえる。
夜も大分更けてきて、
川沿いのマンションや家々の明かりが、一つまた一つと消えて行く。
周囲が暗くなったせいで、先程よりも星が見やすくなった気がした。
白鳥… 琴… ヘルクレス… 冠… 鷲… 蛇使い… 射手… サソリ………
南の空に浮かぶ星座達。


