その後は、取り損なってザルに落ちた素麺を、柏の木陰で立ちながら食べた。
麺はボロボロ切れてるし冷たくもなかったけど、
笑いながら皆で食べると凄く美味しく感じた。
変四和(カシワ)なんて影で呼ばれている4人だけど、私はこの人達が好きだ。
明日から約一ヶ月の夏休み、皆の顔が見られないのが淋しく感じた。
入寮したての頃は、ホームシックで大樹に電話ばかりしていたのに、
いつの間にかここはしっかりと私の居場所になっている。
柏寮に入って…
皆に出会えて本当に良かったな…
「紫ちゃん?
何だか嬉しそうだね?」
「うん!
いつの間にか柏寮に馴染んでるなーと思って、嬉しかったの。
私、皆のこと大好き!」
そう言って笑顔を向けると、4人揃って顔が赤くなった。
あれ…?
私、何か恥ずかしいこと言ったかな?
キョトンとしている私の頭に流星の腕が伸びてきて、
彼の胸元に顔を押し付けられた。
「あ〜もう〜この天然娘が!
そんな最高の笑顔で『大好き』とか言ったらヤバイだろ?
そういうのは惚れた男の前だけにしろよ!」
少しイラついた声が耳元に響き、背筋がゾクリとした。
耳元で話されるとくすぐったくて鳥肌が立つと言うか…
ゾクゾクすると言うか…
思わず首をすくめてしまう。
その反応に気付いた流星は、面白半分に耳にふーっと息を吹き掛けてきた。
「ひゃあ!!」
「おー、いい反応。…ふぅーっ…」
「はあんっ」
流星の悪戯に恥ずかしい声を上げてしまった直後、
私は瑞希君に、流星は亀さんに襟首を掴まれ引きはがされた。
「流星!
月岡さんを毒牙にかけるな!」
「紫ちゃんも!
大ちゃんにされるがままになっていないで、ちゃんと拒否らないと!
真昼間から感じてる場合じゃないよ?」
「ごめ〜ん」
「ごめんなさい…」
瑞希君の言う通りだ。
真昼間から何をしているのだろう……


