けど…
今の俺の中では、紫(ムラサキ)ちゃんの存在が一番大きなウェイトを占めている。
顔も名前も、何もかも思い出せない空想の存在に、支えられてきた。
彼女は別格なんだ。
ゆかりちゃんが彼女を超えてくれたら、好きだと言いたい所だが…
そう考えたことも、瑞希は感じ取った様だ。
すぐにツッコミを入れられた。
「大ちゃん…あんまり紫(ムラサキ)ちゃんにこだわっていると、大樹君に持っていかれちゃうよ?」
「大樹?ああ、ゆかりちゃんがいつも電話してる奴?
持っていかれるも何も…アイツは彼氏だろ?」
「違うよ。そこ勘違いしてるから、焦りがないのか。
大樹君は、紫ちゃんの隣の家に住む、同い年の幼なじみだよ」
「マジで?ただの幼なじみ?
俺、手を出したらぶっ殺すって、アイツに言われたけど」
「ただの幼なじみじゃないもの。
僕が思う所では『特別で大切な』幼なじみかな?
今の所紫ちゃんに恋愛感情ゼロだけど、大樹君の頑張り次第でどうなっちゃうかなー?」
ただの幼なじみじゃなく、特別で…大切な…?
それで恋愛感情ゼロって…
男と女でそんなの有り得るのか?
ゆかりちゃんなら…有り得るのかもな。
さっきの彼女の態度を見ると、
俺って結構好かれてる?なんて思ったけど、
何だか自信が無くなってきたな……


