そんな心をごまかそうとして、対外的には明るく振る舞っていた。
髪の色も明るくし、言葉遣いも崩してみる。
すると、すぐに女の子達が寄ってきて、その中の何人かと体の関係を持った。
初めての体験はかなり気持ちが良かった。
性的興奮に合わせ、この心臓もすぐに鼓動を速めてくれる。
心と一体となり、リズムを変える鼓動。
それが堪らなく嬉しくて…
病み付きになってしまった。
彼女を作ろうとは思わない。
こんな心も体もコントロール出来ない俺に、彼女を作る資格はない。
彼女は空想の世界の紫(ムラサキ)ちゃんだけでいい。
俺の軽いノリに同じ様に軽く応えてくれる女の子達と、体だけの関係を続けていた。
逃げていたんだ…
龍さんは
『君は君の人生を精一杯生きて』
そう言ってくれたのに、
自分の心と…この心臓と…向き合う事が苦しくて、
作り上げた軽薄さの中に逃げていたんだ。
誰も心の中に踏み込ませたくなかった。
誰かに心を見せると言うことは、
自分も自分の心と向き合わねばならないから。
◇◇◇
ゆかりちゃんを大腿に乗せたまま、静かに話し続けていた。
「逃げていたんだ…君にこうして話しをするまでは。
君が紫(ムラサキ)ちゃんだと良かったのに……
待っていると信じたいけどさ、実際無理な話しだよ。あれから5年だもんな。
きっと忘れられてる……
あっれー?忘れてんのは俺の方かー!ハハハッ…はぁ…
待っていてくれなかったら…生き続ける意味が分かんないな…」
溜息まじりに吐き出した言葉に、
それまで黙って聞いていた彼女が口を開いた。


