ラベンダーと星空の約束

 


しまった。気付くのが遅かった。

今から書き直していたんじゃ、岩山文庫主催の文学賞の応募締め切りに間に合わない。



これでもいいか…

どうせ全部、俺の勝手な期待を込めた空想なんだから。




この物語を書いている間だけは苦しみがわずかに薄らいだ。



空想の中だけど、紫(ムラサキ)ちゃんは俺を待っていてくれた。



俺は彼女に必要とされ、生き続けることを望まれている。

そう思うことで、現実の苦しみから逃れようとしていた。




 ◇


小説が書籍化されると決まってから数日後、俺は高校生になった。



憧れて胸を躍らせていた高校生活は、色褪せて見えた。

何をやるにつけても、龍さんを思い出す。



俺がろくに中学校に通えなかったように、
龍さんも高校に通えた日数は、数える程しかない。



あの人が高校生をやれる日は二度と来ないのに、
俺が高校なんて通っていいのかと言う気にもなった。



罪悪感と後悔。ただでさえ苦しい時に、
この心臓も時々妙によそよそしくなり、俺を益々苦しめた。



走っても中々上がらない心拍。

息が切れても、ゆっくりとリズムを刻むのがもどかしい。



この心臓に拒否された気がした。

お前なんかに移植されたくなかったと…
持ち主の所へ戻りたいと……




はぁ…俺…精神的に病んでるのかな…

考えてしまうのは、自分を苦しめる事ばかり。