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[流星 回想]
心臓移植を受けたのは、中学三年の秋のことだった。
10時間に及ぶ移植手術を終え、意識が戻ったのはその翌日の昼。
目を開けると、俺の体は沢山のチューブに繋がれていた。
チューブの一本に目を向けると、淡血性の浸出液がゆっくりと流れていて、
チューブの先端が開胸部に直接埋められていることが理解できた。
口元には酸素マスク。
指にも足にも背中にも、ペタペタと色んなものが付けられていた。
ピッピッピッピッ…
モニターの規則的な機械音が耳に響いてくる。
この規則正しいリズムは俺の心拍…
いや、俺の物になってくれた新しい心臓の拍動か……
俺…生きてるのか…
しばらくすると、
白衣の綺麗なお姉さんが俺の様子を見に来て、
意識が回復したことを医師と家族に伝えに行った。
俺の家族…父さんと新しい母さんになる予定の美佐子さんは、
目に涙をにじませ
「よく頑張った」
と何度も言葉をかけてくれた。
幸運だった。
臓器移植ネットワークに登録してから、三ヶ月程で移植を受けられたから。


