ラベンダーと星空の約束

 

 ◇◇◇


[流星 回想]



心臓移植を受けたのは、中学三年の秋のことだった。



10時間に及ぶ移植手術を終え、意識が戻ったのはその翌日の昼。


目を開けると、俺の体は沢山のチューブに繋がれていた。


チューブの一本に目を向けると、淡血性の浸出液がゆっくりと流れていて、

チューブの先端が開胸部に直接埋められていることが理解できた。



口元には酸素マスク。
指にも足にも背中にも、ペタペタと色んなものが付けられていた。



ピッピッピッピッ…
モニターの規則的な機械音が耳に響いてくる。



この規則正しいリズムは俺の心拍…
いや、俺の物になってくれた新しい心臓の拍動か……



俺…生きてるのか…



しばらくすると、
白衣の綺麗なお姉さんが俺の様子を見に来て、

意識が回復したことを医師と家族に伝えに行った。



俺の家族…父さんと新しい母さんになる予定の美佐子さんは、

目に涙をにじませ
「よく頑張った」
と何度も言葉をかけてくれた。



幸運だった。
臓器移植ネットワークに登録してから、三ヶ月程で移植を受けられたから。