流星が瞳を閉じながら、もう一度顔を近づけてきた時、
食堂のドアがバタンと開いて、煙草を手にした慶子さんと目が合ってしまった。
目をパチパチさせ一応驚いた彼女は、ハッキリと突っ込んでくる。
「あれま、あんたやっぱりそういう事になっちゃったのかい。
この男はダメだって、教えてやったでしょ?」
「あ〜も〜…慶子さん…間が悪すぎるよ〜。
超いいムードだったのに〜……」
「そんなの知らないよ。
あたしゃ一段落して、一服しに来ただけなんだから」
慶子さんは壁にもたれ、ぷかりぷかりと美味しそうに煙草を吹かしていた。
私はと言うと…
恥ずかしさに顔を赤く染めて、俯くしかなかった。
慶子さんが不思議な質問をしていた。
「大ちゃん、あんたキスなんかして大丈夫かい?
用心するに越したことはないって、言ってなかったかい?」
「そうなんだけどさー……我慢出来なくなって……
でも今のは大丈夫。今体調いいし、ゆかりちゃんも風邪引いてないって言ってるし、軽いキスだし」
その不思議な会話が気になり、俯いていた顔を上げた。
言っている意味が分からない。
風邪引きの相手とキスしたくないって言うのは、まぁ分かるけど…
今の会話は、それだけの意味じゃないよね?
「あの…話しが見えないんですけど……」
「あれま、キスする仲になってんのに、体のこと知らないのかい。
大ちゃんはね……」
言い掛けた慶子さんを、流星が慌てて止めた。
「ストップ!」
「あ? あたしにゃペロッと言ったのに何で隠すのさ」
「いや〜隠してる訳じゃないけど……これ言うと、引いちゃう女の子もいるからさー…
俺としては、ゆかりちゃんともう少し仲良くなってから……」


