次に流星が東京に帰ってからのことを話した。
手術の結果が気になっても知る術がなく、
ひたすらに待ち続けた辛い日々のこと。
テレビで流星の本を知り、無事を喜び涙したこと。
同じ高校に入る為、必死に受験勉強したこと。
そして…
初恋物語の続きを期待していたのに、
すっかり変わってしまった流星に落胆し、
それだけじゃなく、
あの夏の記憶がないことに衝撃を受けたこと。
昔の流星は好き…
今でも好き…
でも、今の流星は好きにはなれない。
嫌いじゃないけど、好きにはなれない。
今はフラノを去った後、
5年間の流星を知りたいだけなんだ。
正体を明かしても、きっと軽いノリであしらわれる。
それは嫌なんだよ。
あの夏の綺麗な想い出の中に、今の彼を踏み込ませたくない。
全てを説明して溜息をついた。
「だから、流星には知られたくないの…
初恋を実らせるのは諦めたよ…
過去5年分の流星を知れたら、もう…それでいい」
瑞希君は真剣に話しを聞いてくれた。
それから何かを考えている風に、黙り込んでしまった。
心配になり念を押す。
「あの…流星には内緒にしてね?」
「僕からは何も言わないよ。
でもね、さっきも言ったけど、
昔と今の大ちゃんは根本的な所が変わってない。
紫ちゃんは、今の大ちゃんを分かっていない。
過去5年分のあいつを知るのもいいけど、
今のあいつのことも分かってあげて」


