拍手喝采する私を見て、瑞希君は照れた様に笑っていた。
「アイドルの歌は得意なんだ。たく丸君に特訓されたからね。
去年僕が入寮した時も、紫ちゃんと同じ様にプロデュースしようとしてたんだよ?
面白いから男だって言わずに付き合ってあげたけど、その内バレちゃってさ。
あの時のたく丸君の顔は超ウケた!アハハッ!」
「どうしてバレたの?」
「それはね?ハハッ!
シャワー浴びてる時にゴキブリが出て…
焦って裸のまま飛び出したら、廊下でたく丸君にばったり会っちゃって」
それは…
たく丸さんは、かなりの衝撃を受けただろうね…可哀相に。
可哀相だけど…やっぱり面白い。
その姿を想像して、瑞希君と一緒に笑ってしまった。
みんなが2周歌い終えた時、
「紫ちゃんも歌いなよ」
と瑞希君がコントローラーを渡してくれた。
使い方が分からないと言うと驚かれた。
「カラオケ屋さんて、初めてなの」
「マジ!?
紫ちゃんてお嬢なの?お家が厳しいとか?
でも、それなら柏寮なんかに入んないか……」
「そうじゃないよ。
畑の中にポツポツ家があるような、田舎に住んでいたから」
「ふーん、なるほどね。
そう言えばどこ出身なの?まだ聞いてなかったよね?」
「北海道」
「へぇー、遠くから来たねー。僕は神奈川だよ。
ねぇ、北海道のどこ?札幌?函館?」
「あ…えーと…」
北海道のどこかと聞かれて口ごもった。
ちらりと流星を見る。
女子二人とキャッキャッと騒いで、私には無関心だ。


