命賭けのカクレンボ

~そらside~


私は急いでケータイを開いた。


「神谷君、薫から朝陽に代わったって!」


「…ぜっっってぇ、逃げ切ろうな!」


神谷君はこの状況に益々燃えてきているみたい。


多分、そういうところが人気の秘訣なんだろうなぁ…。


喜羅が神谷君のことを好きになるのもわかる気がするなぁ。


っていうか、今更なんだけど鍵かけるのってありなのかなぁw


ルール違反だったら逃げ切っても意味ないじゃん。


「なぁ、そら」


「ん、なに??」


突然神妙な面もちで話しかけてきた神谷君はいつもと違う雰囲気をかもし出していた。


「…さっきから気になってたんだけどさ……」

ドキッとした。


「う、うん…」


「遠くの方で変な…声?、しないか?」


「え…?」


私も耳をすませて音を聞いてみる。


聞こえるのは木々のざわめき。


何処からか水か落ちる音。


「…聞こえないと思うんだけど……?」


「そっか、ごめんな。俺の勘違いだわ」


「ううんっ!大丈夫だよ」