《雅 side》

………疲れます。


何故私ばかりあんな低脳な屑の処理を

しなくてはならないのでしょうか。


………………あ。初めまして。


先程、あの低脳な屑の処理をさせて頂いた

八雲 雅と申します。



え、何故処理しなくては

ならなかったのかって?


それは、私が、─────



「八雲一族20代目当主、

八雲 雅だなっ?!」




…………遮られました…………。


振り向くと、そこには先程の低脳な屑の仲間。


その数、大したことない三十人。


────私にとっては、ですがね。……クスッ






『…………何か御用ですか?

生憎私は今、少々気が立っております故、

御用件は速くお済ませ下さい。黒笑』



それを聞いた屑共はビクッと肩を揺らしつつも

平常心を保ってます。



「う、うっせぇぇ!!

よくも、俺達のボスを殺りやがったな!?

テメェも死ねっっ!!!!!」



………恐れるくらいなら尻尾巻いて逃げれば

儚く散ることも無かろうに………。



『………残念です。

歯向かわぬのならば逃がしたのですが……。

私に刃先を向けるのならば、



─────容赦しません。黒笑』



そう言ったと同時に素早く動き出す。















その後に聞こえるは、


「「「ぎゃあぁぁぁぁ!!!!」」」


屑共の断末魔の叫び声、それと、








ザシュッ、グシャッ、ブシュッ



などの、苦無や手裏剣の刺さる音。








私は、現代に残る唯一の忍一族、

八雲一族20代目当主。


部下達は僅か十人。

だがどれも優秀な忍達。


それらを束ねるのが私、

八雲 雅の勤めです。



この時代の忍の仕事は主に、ヤクザや暴走族、

犯罪者などを捕縛したり、

抹殺したりすることなどがあります。



………で、今現在、ヤクザのボスを抹殺すると、

勿論のこと、その部下達が

仇を討ちに来たようで。



ものの数分で全て抹殺した次第です。黒笑



『…………例え私が八雲一族

20代目当主と言えど。

このような仕事ばかり任せるなんて、

この国は既に落ちぶれているのでしょうね。』



…………あ、すいませんね、

私、酷く短気な物で。





──でも確かに、この国は落ちぶれてます。



其処ら中に低脳な屑共が居座り、

我が物顔で罪を犯し重ねる。



そしてそれを見て見ぬふりをする

国の守護者達。


(ちなみに、雅にとって国の守護者達とは、

天皇、首相、警察などの事ですw)



この仕事をするに当たって、

守護者共は貴方達の働きでこの国は粛清される

などとほざかれましたが。


一向に改善すらされませんね……。





そう思いながらも、何となく過ごして来た私。






明日からその普通な日常が変わるなどと、

私はそんなこと知る由もなかった────