《小太郎、才蔵side》



俺達が中に入ると。


そこはとても凄まじかった。





血まみれで倒れる者、

狂乱している者、

訳の分からない事をほざく者、

黒い物体を持っている者等が居た。





な、何なんだ、これは………っ?!


絶句した。これが、まさかあの女の言っていた

『世界の治安に背く輩』なのかっっ!!?





二人揃い唖然としていると。


謎の黒い物体を持つ者が此方に気付いた。






「あれぇ〜?まだあいつらの仲間が

居たの〜?おかしいなぁ〜。

まぁいいやぁ〜、ど〜せ死ぬんだしね〜♪」





何やら可笑しなことをほざいているが。


何を言っているのか分からず、

動かないで居たら。












─────パン、パァーン!!


と、いう音が聞こえ、俺達はバタリと倒れた。













──────何、が、起こっ、た…………??










状況を判断する。


よく見ると、自分達の周りには

血が流れている。



そして自分の体を見ると、絶句した。




小太郎は脇腹、才蔵は右肩から

おびただしい量の血を流していた。




………………どうやら、何かしらの

武器でやられたようだ。



だが、やはり分からない。


一体、どんな武器なのか。






──────嗚呼、そうだった。


女が言いたかったのはこれだったんだ……。






此処は自分達が住んでいた場所ではない。


遥未来の世界なのだ。



苦無や手裏剣などの武器はこの世界に通用

しないのだ……………。








今更悔やんだ。


あの女は教えてくれたんだ。


この世界の事を。


今更悔やんでも遅い。


何故ならば、謎の黒い物体、いや武器を

持った男が目の前に居るからだ…………。




「あ、そのままでいてね〜♪

直ぐに楽にしてあげるから♪♪」









──────此処まで、か。


俺達二人は覚悟を決め、静かに目を閉じた。




─────幸村様、申し訳ございません……。



















その時だった。














『八雲一族20代目当主、八雲 雅。

いざ、参ります──────』









数刻前聞いた、透き通る様な声が聞こえた──