「じゃ、これで最後ねー!」



ガチャ―ン


最後の最後に私だった…最悪…。


「はい、カード引いてねー!」

恐る恐るカードをめくる。
お願いします、神様!



…彼氏(彼女)と1分見つめ合う…


い、いっぷん?
長い、長すぎるよ…


「はい、上原さん、こっち向いてね。」

矢島くんが私の頬を手で挟んで、横に向けた。


ひゃー…
こんなの、無理だよ。


「では行きまーす、よーい、スタート。」


矢島くんは、にこにこ楽しそう。


私は必死だ。
ああ、恥ずかしい。

絶対、顔が赤くなっているはず。
早く終われー!


「上原さん、ちゃんと俺を見て。」


その言葉に、心臓が爆発しそうになる。
矢島くんの目が、急に真剣になった。




ガタン

誰かが立ち上がる音。



「俺、トイレ。」

上原くんの声がした。


見つめ合う私たちの間を抜けて、上原くんは部屋から出ていった。