「ねえ、明日うちにきてよ。矢島と一緒に。」

綾香が、私を誘ってきた。
なんで誘ってきたかは、想像がつく。

だって、明日は上原くんの誕生日だから。


「親が出かけてていないし、うちで上原の誕生会しようよ。」

ああやっぱり。

「…うん、わかった。」


あまり気が進まないけど、矢島くんはもう行くって返事をしたみたいだし。

藤崎くんと美紀も含めて6人でお祝いするなら、まあ、いいか…。


「なんかプレゼント持ってきてよ。」

綾香はそう言い残して、今度は美紀のところに行ってしまった。



プレゼントか…。

なにを買ったらいいのか、全然分かんないよ。

上原くんは、頬杖をつきながら、窓の外を眺めている。

私は、心の中で問いかけた。

…ねえ、上原くん、何か欲しいものある?