「ねえ、男女ペアになって行動しない?」
綾香が唐突に提案する。

「いいねーーーー!」
矢島くんは、ノリノリで返事をした。

「みんながいいなら、いいよ。」

「私もいいよ。結もいいよね?」

藤崎くんと美紀も賛成。
私は、勢いに押されて頷いた。

「じゃ、どうやって決めようか?」


「私、クジ作るよ。」

綾香は、メモ用紙に数字を書いて、手際良く4つに折った。


「はい、出来た。」

右手に3つ、左手に3つ。
みんな、綾香の周りに集まってくる。


「上原くんも、こっちに来て!」

上原くんは、壁に寄りかかって漫画を読んでいた。
聞こえているのかいないのか、そこから動こうとしない。

「海斗、来いよ。」

藤崎くんの声で、チラリとこちらを向いた。

「俺、余りでいいよ。」

そう一言だけ言って、また漫画に視線を落とす。
藤崎くんは、肩をすくめてこちらを向いた。

「余りでいいってさ。じゃ、遠慮なくやろうぜ。」

矢島くんは、今か今かと手を出したり引いたりしている。

綾香が頷くと、男子は左手から、女子は、右手からクジを引いた。