公園の出口まで来た。

街灯の下、車止めの上に座る人影。
影は、私が近づくとそこからぴょんと飛び降りた。


「おいっ。」

えっ?
まさか…


「上原くん!」


びっくりして大きな声が出る。


「しー!ばかっ、大きな声出すなよ。」



「あ、うん…。」

ごめんと小さく手を合わせ、声を潜めて問いかける。

「なんで?どうしたの?綾香は?」



「いいから。…こっち。」



上原くんは、私の問いかけには答えず、足早に歩き出す。


「あ、待って!」

小走りでついていきながら、上原くんに問いかける。


「ねえ、どうしたの?」

答えない。

「ねえ、綾香は?」


完全に無視。

上原くんは、どんどん歩いていく。
歩くというより、ほとんど走ってる。



「上原くん、早い。」

私は、上原くんのジャンバーの裾をつかんだ。

勢いよく進んでいた足が、ピタリと止まる。

私は勢い余って、上原くんの背中に身体ごとぶつかった。


「痛っ!あ、ご、ごめん。」