亜紀の唇に、深く俺を押し付けた。
亜紀は目を開けたまま、小さく首を横にふる。
手をパタパタさせて、相手が違うと言っている。
俺はその手を掴んで、ギュッと握った。
パタパタと動いていた手が止まる。
亜紀の後頭部に手を滑らせ、髪を引き顎を反らせた。
赤く開いた唇に、俺の唇を叩きつけるように重ね続けた。
俺の頭は、上原さんでいっぱいだった。
来てくれた。
嬉しいよ。
すごく嬉しい。
ありがとう。
さようなら。
ありがとう。
さようなら。
どうにもならないくらい好きだ。
諦める。
諦められる。
好きじゃない、好きじゃない。
来てくれて、ありがとう。
感情が複雑に混ざり合い、自分でもコントロールができない。
上原さんへの想いを断ち切ろうとすればするほど、身体が熱くなる。
