「上原さん!」

矢島くんの声にハッとした。

「ね、向こう行こうよ。」


「あ、うん。」


見れば、綾香も美紀も、それぞれ移動をはじめていた。

私は矢島くんに連れられ、水際まで進んでいく。


「海、入ろうよ。」


「あ、うん、ちょっと待って。」


私はパーカーとハーフパンツを脱いで、畳んで置いた。


「上原さん…水着、すっげー可愛い…。」


え?やだ?矢島くん?

「マジで、上原さん、やばい。」


「やだ?なに?なんかやばい?」

「いや、俺、めっちゃドキドキする。」


「え?なに?」


「あー、もー、いいから、行こう!はい、これ持って。」


矢島くんに手を引っ張られて、ザブザブと水に入る。

渡された浮き輪で、ふわりと浮かんだ。



「少し遠くまで行ってみようよ。」