「…結は…バカだな…。」



「なんで?」



「ほんとに…。」



「だから、なん…で?…

上原くんは私を抱きしめた。



「バカだ…結は…俺なんかのために…。」

ギュッと抱きしめられて、息もできない。



「一週間後な…試合…しような…。」

そう言って、私に優しく口づけた。







電車の到着のアナウンスが流れる。

しばらくしてホームに滑り込む電車。



目の前のドアが開いて乗客が降りはじめても、私たちは唇を離せなかった。