「えっ?」


「いや…こっちの話。」






♪♪~~


宇佐見くんの携帯が鳴った。

画面を見てから、私に背を向けて話しはじめる。


「はい…うん…あ…そうだよね、うん…それなんだけど…ごめん、亜紀。…急用ができて、今日はいけなくなって…ああ、うん、ごめん…じゃ、また…。」




宇佐見くんは、電話を切ってポケットにしまう。

背中を向けたまま、つま先で砂利を蹴り、茶色い土がむき出しになった。



「…時間…大丈夫?」

鼻をグズグズさせながら、宇佐見くんの背中に問いかけた。

宇佐見くんは答えない。