ザーッザーッと規則正しく砂利を踏んでいた音がピタリと止まる。



「由里子だ…。」

上原くんが、握っていた手を離す。





正面の鳥居に寄りかかるようにしていた人影が、こっちに向かって走ってくる。



「由里子さん?」


上原くんは、戸惑いの表情で正面を見据えながら、小さく頷いた。



「海斗くん、探したよ~!」


ザクザクと砂利を踏みしめて、私たちの前までくると、彼女は小さくお辞儀をした。



「川名由里子です。あの…どちら様でしょうか?」


由里子さんは、私に向かってそう言った。



「あ…私は、上原結です。」



「上原?…海斗くんのご兄弟ですか?」



「えっ…違っ…。」



「そうなんだ。兄弟って言うか従妹。正月だから、家に遊びに来てた。」



上原くんが、私の方を向いてそう言った。