「初詣…行こうか。」



上原くんと一緒に、あの神社に向かった。

境内は人もまばらで、すぐにお参りをすることができた。


「この後は…?」


私が聞けば、今日は用事があって、もう家に帰らなくてはいけないと、上原くんは言う。



「いつまでこっちにいられるの?」


「3日に向こうに帰る。」


だから、また明日も会おうと言ってくれた。





出口に向かって歩く私たちは、後からくる人たちにどんどん抜かれていった。

名残惜しくて、帰りたくない気持ちが、歩く速度を遅くする。


まだ一緒にいたい…そう思って、上原くんの手を強く握った。


上原くんの手もまた、それに応えてくれるかのように、ギュッと握り返してくれる。



すり足で砂利に線を引くようにして歩いた。

痕を残したかった。