「…行こうか?」 上原くんが、ゆっくり歩きだす。 私は少し下がって、上原くんの背中を見ながら歩いた。 上原くんは、歩みを止めて振り返る。 「並んで歩こ。」 私を横に呼び寄せ、きゅっと手を握ってくれた。 上原くんの温かさが、ダイレクトに伝わってくる。 …あったかい…。 そのまま改札を抜けて、外に出る。 上原くんは、駅に隣接した店舗の裏に私を引き込んだ。