駅に着いて、バスから降りた。
切符を買って、改札を抜け、ホームにつながる階段を上っていく。
今は…8時50分…。
上原くんに会えるまで、あと10分。
電車の到着を知らせるアナウンス。
期待と不安で胸がいっぱいになる。
今度こそ、会えるよね?
電車が近付くのと比例して、私の鼓動も大きくなっていく。
やがて、ホームにふわっと電車が滑り込んでくる。
風が、私の前髪を大きく揺らした。
電車が停車し、ゆっくりとドアが開いく。
開いた口から、吐き出すように乗客が降りてきた。
私は、右へ左へと視線を向けながら、上原くんの姿を探す。



