駅に向かうバスの中で、あの時のことを思い出す。

上原くんに好きだと告げて、はじめて抱きしめられた、中学三年の桜舞う日。


今でも思い出すたび、心の奥がザワザワする。


あの時は、ただ幸せで嬉しくて…。

すぐに会えなくなったけれど、想いが通じた嬉しさで、毎日を頑張ることができた。



それがまさか…思いもつかない未来が待っていようとは…。

本当にあれから…いろんなことがあったな…。




窓から見える景色は、まだ春にはほど遠いものだった。







上原くん…

早く…会いたいよ…。