休憩時間。


宇佐見くんが、水筒とタオルを持ってこっちにやってきた。



「調子はどうです?」



「能ある鷹は爪隠す、みたいな感じ?」



「なんですかそれ。」



「カズ、知らないのー?」



宇佐見くんと亜紀が話しているそばで、私は上原くんを目で追っていた。




由里子さんが、上原くんの身体に触れる。

何度も何度も。



何の話をしてるんだろう。

上原くん…楽しそう…



あっ…



由里子さんが、上原くんの髪に触れた…

汗を拭いたタオルと飲んだ水筒を、由里子さんが受け取る。



そんな二人を見ているのが、だんだん苦しくなっていった。

「なんで…。」という言葉だけが、頭の中をぐるぐるとまわり続ける。