次の日、学校へ行くと、亜紀が勢いよく走り寄ってくる。



「見てこれ!結、一緒に行こう!結の彼氏も絶対いるよ!」



私の前には、バドミントン強化合宿と書かれたプリント。

読めば、上原くんの学校が主催するイベントで、バドミントンを上達したい人が誰でも参加して練習できると書かれている。



確かに上原くんは、この学校のバドミントン部だけれど…



私が悩んでいると、亜紀は私の肩に手を置いて言った。

「もう、申し込んじゃったし、拒否権はありませんから!」




「それから、カズも申し込んどいたから!」

後ろで本を読んでいた宇佐見くんが、顔を上げる。



「なんで俺も?ま、ヒマだからいいですけど。」



「さすが、カズくんかっこいい!!」



「亜紀、ふざけるとバラしますよ、中学のとき…。」



「わーーーー!はい、すいませんすいません!」

そう言って、私の方に向いて舌を出す亜紀。







合宿の日が近づくにつれて、こんな形で会いに行っていいのか憂鬱だった。



来週の週末。



嬉しい気持ちと逃げ出したい気持ち。

そんな気持ちを抱えたまま、その日は刻一刻と迫っていた。