…たすけて…


程なくして、受信ランプが光る。



「今どこ?」

宇佐見くんからだった。


「公園」とだけ返して、携帯を閉じる。


誰かと通じたかった…ただそれだけだった。






膝を抱えて座り、地面を見るともなしに見ていた。


ぼやけた視界に、スッと入り込む人影。



「見つけました。」


…えっ?


ふっと顔を上げれば、宇佐見くんの優しい笑顔。

驚いて、胸が詰まりそうになる。



「公園とだけしか言ってくれないから。ったく、どれだけ公園あると思ってるんですか。」



額の汗を拭いながら、宇佐見くんは言った。


「また泣かされたみたいですね。」


宇佐見くんは、ポケットからあのハンカチを出す。


「ほら、上原さん専用。」

そう言って、私の膝の上にポンと置いてくれた。





「立てますか?」