あっと思ったときにはもう、上原くんはすぐ目の前にいて…


「結っ!」



そのまま立ち止まらずに、私を強く引き寄せた。

何度も私の名前を呼んでは、強く強く私の身体を覆い尽くす。


懐かしい上原くんの匂いが、私を包む。



「…上原…くん?」



「結…会いたかった…会いたくて、結に、ずっと、会いたくて…。」



気持ちがいっぱいで…ああ、言葉にできない。

夢じゃない。




上原くんは、腕の力を緩めて言った。



「顔、見せて、俺に…。」




私は顔を上げた。

大好きな上原くんが目の前にいる。