お参りを終えて戻ってくると、宇佐見くんが自転車に跨っていた。


「上原さん、ここに乗ってください。」


「えっ?いいよ、そんな…悪いし…それに重いし…。」


「いいから、早く乗らないと怒りますよ。」


眉根を寄せて、少し怖い顔をする宇佐見くん。




「あ、は、はい…。」


私は、いそいそと宇佐見くんの後ろに座った。


「それじゃ、行きますか~!」


自転車は走り出した。

冷たい冬の風が、頬をかすめていく。


ああ、こうして上原くんの後ろに乗せてもらったな…。

私は宇佐見くんの背中を眺めながら、ぼんやりと考えていた。