2学期。


上原くんに会えたことを、亜紀に何度も話していた。

だって、本当に嬉しかったんだもん。



「いい加減、うるさいんですけど。」

亜紀は、声の主をキッと睨んだ。


「なによ?なんか文句あるわけ?」


「いや、別に…そんなに何度もおんなじこと言わなくても…。」


「嬉しいんだもん、何回だって言いたくなるんだよ。これだから、男ってヤダ。」




「…ごめんね、宇佐見くん。うるさかったよね。」


私は、隣の席の宇佐見くんに謝った。


「いいよ、謝んなくても。カズが耳塞いどけばいいんだから。」


「うるさいのはそっちでしょう?亜紀。」


亜紀と宇佐見くんは、同じ中学の出身。



だから、いつもこんな感じ。

仲がいいんだか、悪いんだか。



始業のチャイムが鳴り始める。


「結、こんなやつ気にしないで、また後で話そうね~!」

そう言って、亜紀は自分の席に戻った。