泣き疲れて家に帰り、そのままベッドに倒れ込んだ。

矢島くんが、いなくなっちゃった…。


何にも言えてない。
さよならも、ありがとうも…。



そうだ、電話は?

急いで机の上の携帯を掴んだ。


矢島くんの番号にかけてみる。
つながらない。

メールも、宛先不明のメッセージが送られてきた。





みんなに、矢島くんが引っ越したことを伝えた。


もう私には、他にできることは何もない。



私は、矢島くんの気持ちを知ってて、向き合わなかった。

矢島くんを傷つけるのが怖かったから?


ううん、違う。

自分が傷つきたくなかったからだ。


最低だ。

ほんとに…最低…。



涙が後から後から溢れてきて、止められなかった。

どんなに後悔しても、もう、どうにもならなかった。