ドキン!

心臓が大きく跳ねた。


上原くん、さっきのあれ、聞いてたの…?



「え、あの…。」

答えられずにいると、上原くんは立ち上がった。


「結さ…


上原くんが何か言おうとしたとき、私を呼ぶ矢島くんの声が聞こえた。



「はーい。」


上ずる声。

私は、下駄箱に向かって返事をした。


振り返れば、上原くんはもういなかった。







「ブランコ、乗らない?」

矢島くんが、突然ブランコに向かう。

私も隣に座る。


「上原さん、受験頑張ろうね。」


矢島くんは、ブランコをブンブンこいだ。

私もブンブンこいだ。

色々な思いを吹き飛ばしてしまいたくて、思いっきりこいだ。